三郷排水機場、大場川上流排水機場、新大場川水門、
新和地下調整池 — 4施設を巡る治水の最前線。
三郷市を水害から守る治水施設の現場を、議員全員で視察しました。
普段は見ることのできない施設内部や、職員の方々からの説明を通じて、治水対策の最前線を体感しました。
三郷排水機場にて(2026年3月18日)
令和6年7月の改選後、3名の新議員が加入
「お盆のような窪地」に位置する地形的特徴
洪水時の72時間連続稼働体制
関東地方整備局 江戸川河川事務所 三郷出張所が管理。平日は職員常駐、夜間・休日は無人。
昭和47年工事着手、昭和54年に100トン体制で暫定運用開始、平成8年に200トン体制で本格運用。
5台のポンプ(合計200トン/秒)で、中川の水を最大6m高い江戸川へ押し上げて排水。
重油ディーゼルエンジンで駆動。地下の5枚羽根車が毎分70回転し水を持ち上げる。
三郷水門を開けて中川の洪水を三郷放水路に取り込み、ポンプの力で江戸川に排水。中川・綾瀬川流域の氾濫を抑える中核施設です。
年間稼働: 2〜3回程度(令和5年度1回、令和6年度1回)
渇水時に中川の水を江戸川に送り、三郷浄水場・金町浄水場の取水源を補完。令和7年度は延べ7日間稼働し、東京ドーム約2杯分の水を供給。
塩分濃度200ppm以上の時は送水不可
かつて江戸川の水を中川に送り水質を改善していましたが、中川が環境基準をクリアしたため約20年前に終了。
現在は実施していない
埼玉県が整備した施設を三郷市が操作委託を受けて運用。河川課の職員が24時間365日水位を監視しています。
大場川の水を江戸川に排水し、水位を低く保つことで地域からの雨水の流れ込みを促進。広範囲の浸水被害を軽減します。
将来を見越して設計されており、ポンプの増設スペースが確保済み。下流排水機場の増強(令和3年度末)に続き、県と協議を進行中。
大場川が中川に合流する八潮市付近に位置。洪水時にゲートを閉めて中川からの逆流を防ぎ、大場川の水位を低く保ちます。
台風接近時、干潮タイミングで事前に閉門。大場川全体を「調整池」として活用し、ピークカットを実現。国交省と連携して運用。
周辺にはアリーナ・マリーナがあり、船舶の出入りとの調整が必要。閉門時はアリーナと事前に連携しています。
三郷中央二丁目八丁堀公園の地下に広がる調整池。コンクリート柱70本が地上の公園を支え、首都圏外郭放水路の調圧水槽に似た幻想的な空間です。
約13,500㎥の貯水容量。地域に降った雨水をオリフィスで絞り、徐々に地下に流し込むことで河川への急激な流入を防ぎます(ピークカット)。
開発時の雨水貯留条例に基づきURが整備。重要施設として市に移管され、ポンプによる排水や監視カメラによる流入状況の確認を行っています。
3月28日に親子見学会(抽選)を皮切りに、市民への一般公開を開始。ララポート三郷での展示など、治水対策のPRにも活用されています。
中川が過去最大級の雨量を記録。5台全台を稼働させたが、エンジン冷却用の河川水をろ過するフィルターが洪水のゴミで詰まり、安全装置が作動してエンジンが停止。
河川水冷却のフィルターが洪水で流れてきたゴミで詰まり、安全装置が作動
河川水による冷却から水道水による冷却システムに切り替え
対策完了済み。水道水冷却により、洪水のゴミによる停止リスクを解消
視察当日に行われた質疑の一部をご紹介
三郷市のどの地域が排水機場の恩恵を受けていますか?
三郷排水機場は中川流域全体の治水を担っており、三郷市だけでなく中川・綾瀬川流域の広範囲にわたる地域の洪水リスクを低減しています。
洪水時にポンプが全台停止するリスクはありませんか?
令和5年6月に冷却系統の問題で停止事故が発生しましたが、河川水冷却から水道水冷却に切り替える対策を完了済みです。また、定期点検を台風シーズンは毎月実施しています。
排水機場の見学は可能ですか?
小学校の社会科見学を受け入れており、一般の方も予約制で見学可能です。操作席での体験や三郷水門の操作体験もできます。令和6年度は信和小・早稲田小・八木郷小が見学しました。
三郷放水路と大場川の関係は?
見た目にはつながっているように見えますが、大場川は三郷放水路の地下をくぐる「伏越(ふせこし)」構造で、直接合流していません。大場川上流・下流排水機場の増強により、近年は合流運用に至っていません。
三郷排水機場はどこにありますか?
三郷市内、中川と江戸川を結ぶ三郷放水路沿いに位置しています。国土交通省 関東地方整備局 江戸川河川事務所 三郷出張所が管理しています。
排水機場の燃料は何ですか?
重油を燃料とするディーゼルエンジンで5台のポンプを駆動しています。洪水時には大量の重油を消費するため、燃料の備蓄管理も重要な業務です。
総合治水対策の「ためる」施設は三郷市にいくつありますか?
学校の校庭、繁多公園、公共施設の駐車場など複数の場所に一時貯留機能が設けられています。また、一定規模以上の開発には雨水貯留を義務付ける条例も運用されています。