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会派としての説明責任

除名処分(懲罰の議決)に関する
会派内の調査書を公表します

― 最高規範「三郷市自治基本条例」に照らした適合性の検証 ―

令和8年7月10日、埼玉県知事は、三郷市議会が行った除名の懲罰を「議会の裁量権の範囲を逸脱し、又は濫用した、法令上の根拠を欠く処分」として取り消しました。この処分には、当会派の所属議員も賛成していました。創政MISATOは、この動かない事実を出発点に、なぜ止められなかったのかを、自らの責任を含めて検証した調査書を取りまとめ、全文を公表します。

埼玉県知事審決:除名処分を取消し 令和8年7月23日・会派全会一致 調査書 全文公開

※「全会一致」は、創政MISATOのメンバー全員が賛成したことを指します。

RULING

出発点 ― 埼玉県知事の審決

令和8年7月10日 埼玉県知事 審決
「議会の裁量権の範囲を逸脱し、又は濫用した、法令上の根拠を欠く処分」――除名処分を取消し
対象:三郷市議会が令和7年12月3日、当該議員に対して行った除名の懲罰(出席議員20名中19名の起立により可決)。同氏は、書類送検された件についても不起訴処分となっています。

県が違法と認定したのは議会の処分であり、特定の個人ではありません。当該処分は圧倒的多数の賛成により可決され、その中には当会派の所属議員も含まれています。当会派は、この審決を誰かを責める材料としてではなく、議決に加わった自分たち自身への問いとして受け止めています。

審決のポイント

ABOUT

この調査書は、誰かを裁くためのものではありません

検証の対象

本調査書が検証するのは、特定の個人ではありません。条例及び法令によらない「属人的な議会運営」が行われ、それが誰にも止められなかったこと。そして当会派自身が、これを止めることなく、その議決に賛成することによって加担したことです。

すなわち「属人的な運営に倣った、当会派自身の問題」の検証です。

自らの事実を先に記載しています

当会派所属議員4名は、令和7年9月19日の議員辞職勧告決議に全員賛成しました。調査書は、この事実を冒頭に自ら記載したうえで、法的拘束力を持たないはずの決議が除名の実質的な理由に転用されていく過程を検証も指摘もしなかったことを、当会派の誤りと認めています。

本書の公表は、当会派が制定・公表している会派理念・運営規則(情報公開と説明責任)に基づく義務の履行であり、所属議員4名の全会一致により決定したものです。

STANDARD

判断の基準 ― 規範の階層

判断の基準は、個人の見解でも会派の主張でもなく、市が自ら「市民共有の最高規範」と定めた三郷市自治基本条例です。規範には、明確な上下関係があります。

1日本国憲法第94条ほか
2地方自治法法令違反の事務処理は「無効」(第2条第16・17項)
3三郷市自治基本条例市民共有の最高規範
4三郷市議会基本条例自治基本条例を「忠実に履行」すると宣言
5政治倫理条例・会議規則など個別の条例等
6先例・申し合わせ(党会派代表者会議等)最下位

調査書が確認した各事案は、いずれも「6」が「1〜5」を上回った結果として生じています。

自治基本条例 第54条

「個別の条例、規則、計画等の制定若しくは策定又は解釈においては、この条例の趣旨を最大限尊重するものとする。」――条例に書かれていない事項を判断者の裁量で恣意的に埋めることは、最高規範が明文で否定しています。

TIMELINE

経緯 ― 除名から違法認定まで

  1. 令和7年9月16日政治倫理審査会が当該議員を「議員辞職勧告」相当と決定(2回の審査会とも勧告は「辞職勧告」であり、除名を勧告していない)。
  2. 令和7年9月19日本会議で議員辞職勧告決議を可決。当会派所属議員4名も全員賛成。
  3. 令和7年12月1日懲罰動議が提出され、懲罰特別委員会を設置。委員会内には「出席停止」を求める意見も存在した
  4. 令和7年12月3日陳謝の懲罰を執行した同じ日に、再度の懲罰動議により、出席停止を飛ばして最も重い除名を可決(出席20名中19名起立)。
  5. 令和7年12月4日当該議員が埼玉県知事に対し、地方自治法第255条の4に基づく審決を申請
  6. 令和8年7月10日埼玉県知事が「法令上の根拠を欠く処分」として除名処分を取消し。(別途、書類送検された件は不起訴処分
  7. 令和8年7月23日当会派が本調査書を全会一致で取りまとめ※「全会一致」は、創政MISATOのメンバー全員が賛成したことを指します。
FINDINGS

なぜ取り消されたのか ― 5つの課題

いずれも、地方自治法の逐条解説や確立された裁判例に照らして、制度的な不適合性が指摘される事項です。議決に加わった当会派自身も、確認しようと思えば確認できたはずのことでした。

議会外の個人的行為(市役所窓口での言動、SNS投稿)が懲罰事由に組み入れられた点。懲罰は原則として議会内の行為を対象としており、議会外の行為を事由とすることは法令上の要件を欠くおそれがある(地方自治法第134条第1項)。
法的拘束力を持たない辞職勧告決議への不服従が、実質的に除名の理由に用いられた点。判例及び実務上の解釈と整合的ではない。
「薄笑い」「威嚇的態度」など、客観的な証拠による裏付けが困難な主観的評価が判断の基礎とされた点。
段階的懲罰の原則に照らした手続を欠いた点。陳謝を執行した同日に、出席停止の検討を経ることなく最も重い除名が選択された。
事案の態様に比して最も重い除名が選択され、均衡を失していた点。
なぜ、検証が必要なのか

国家賠償法上、適正な手続を欠いた行為によって損害が生じた場合、賠償責任は、すなわち市民の税金に及び得ます。議決に加わった一員として、同じことを繰り返さないための検証が必要だと当会派は考えました。

OUR FAILURE

当会派が止め得た3つの局面

調査書は、当会派が止め得た判断ポイントを3つ特定し、止められなかった構造的要因(法的チェック機能の不在、「議会の自律権」への過信、世論と空気による判断の代替、会派内における法的議論の不在、経験の不足)を分析しています。

判断ポイント① 辞職勧告決議の転用を検証しなかった局面

辞職勧告決議は法的拘束力を持たない事実上の決議であり、これに従わないことを理由とする懲罰は否定されている。県も、当該決議の可決が懲罰事由とならないことは「明らか」と明言した。問題は決議そのものではなく、これが除名の実質的な理由へ転用されたことにある。当会派は、この転用を検証も指摘もしなかった。

判断ポイント② 懲罰特別委員会で歯止めをかけ得た局面

懲罰特別委員会では「段階を踏んでの懲罰、すなわち出席停止との意見もあった」。にもかかわらず除名に至った。委員会の場で歯止めをかけ得た局面だった。

判断ポイント③ 段階的懲罰の原則を確認し得た局面

地方自治法第135条は戒告・陳謝・出席停止・除名の4段階を定める。陳謝を執行した同日に、出席停止を飛ばして最も重い除名に至ることは、段階的懲罰の原則に照らし著しく異例だった。

これらの局面のいずれにおいても、当会派は歯止めをかけることができませんでした。

当会派の責任と対応

当会派は、法令との整合性に欠けると認定された処分に至る一連の過程において、法令及び条例に照らした検証を行わず、これを止める行動を取らなかったことについて、当該議員の方及び市民の皆様に、率直におわびを申し上げます

PREVENTION

再発防止 ― 会派における法的ガバナンス

取組み 1
法的検討と記録の義務化
懲罰・除名・辞職勧告・政治倫理審査請求など、議員の身分・名誉に関わる議案は、会派として必ず法的検討を行い、その結果を文書で残す。
取組み 2
外部照会の原則化
逐条解説・行政実例・裁判例の確認を義務とし、疑義がある場合は弁護士又は埼玉県(地方自治法第245条の4の技術的助言)に照会する。照会を行わずに議決に臨まない。
取組み 3
チェックリストと少数意見の責任
本件の教訓に基づく懲罰議案チェックリスト(11項目)を整備。全会一致の空気の中でも「賛成する法的根拠があるか」を基準に判断し、判断とその理由を常に文書で残す。
COMMITMENT

当会派がこれから行うこと

「誰が」ではなく「何に基づいて」で動く議会へ。

目指すものは、突き詰めれば一つ――属人的ではなく、条例に基づく議会運営です。まず、当会派自身から始めます。

  1. 自らが関わるすべての議会手続を、個人の裁量ではなく、最高規範である三郷市自治基本条例及び各条例・規則の定めに従って行います。条例に定めのない事項は自治基本条例第54条の趣旨に照らして解釈し、判断が困難な場合は法的な検証を経ます
  2. 会派の法的ガバナンスを直ちに実行するとともに、本件の経過について議会全体による検証を呼びかけます
  3. 法令及び条例の遵守を議会運営の第一基準とすることを、まず当会派自身が徹底し、そのうえで議会全体に広がるよう行動します
FULL TEXT

調査書 全文

調査書の全文(第1〜第10・全時系列表を含む)は、以下のGoogleドキュメントでお読みいただけます。本ページは要約であり、正確な内容は全文をご参照ください。

調査書 全文を読む(Googleドキュメント)

本ページについて

  • 本ページは「除名処分(懲罰の議決)に関する調査書」(令和8年7月23日・当会派全会一致)の要約です。記載の事実関係は、埼玉県知事審決書(令和8年7月10日)及び当会派の調査に基づいています。
  • 本ページ及び調査書にいう「全会一致」は、創政MISATOのメンバー全員が賛成したことを指します。
  • 本ページ及び調査書は、特定の議員個人を非難することを目的とするものではありません。属人的な議会運営という構造の検証と、その是正を目的としています。
  • 本ページ及び調査書では、関係者の氏名は記載せず、「当該議員」「前議長」等の役職・立場による表記としています。
  • 記載内容に誤りが判明した場合は、速やかに訂正のうえ、訂正の経緯を明示します。
  • 最終更新:令和8年(2026年)7月

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